保護帽の主な役割は、飛来落下物や墜落時、転倒時の頭部への衝撃を吸収して頭部の損傷を防ぐことにあります。
保護帽は、帽体と呼ばれるシェル構造とハンモック、衝撃吸収ライナーなどの内装品が組み合わされて構成されておりますが、衝撃は単に帽体で吸収されるのではなく、両者が組み合わされた製品全体で総合的になされるため、より安全な保護帽を求めて、帽体や内装品の材質・構造についての絶え間ない研究開発がなされて参りました。また、保護帽の脱落を防止するあご紐の工夫も加えられています。
一方保護帽のスタイルについては、かつてMP型や野球帽型など4、5種類しか無かったものが、今や多様な製品が販売され、使用されています。各メーカーとも、工業デザイナーを用いたりや三次元CADを使って、カッコよさを追求し、顧客の多様な嗜好に対応しております。さらに最近になって、装着性(被り易さ)や装着感(被り心地)に関して関心が高まり、製品は著しく進歩致しました。
また、使用者のニーズに基づき、付加価値をつけた保護帽の開発がすすめられ、安全のためのお役にたっております。
以下、最近の保護帽に盛り込まれた具体的な技術要件について、3回にわけて述べさせていただきます。
その1 材質・構造について
その2 スタイルやかぶり心地に関連して
その3 付加価値付き保護帽